地獄の底でふたりきり

8.盲蛇に怖じず

「好きにしろと言いたいところだが、俺は諦めが悪いんだ。諦めて一緒に楽園へ戻れ」

 無表情のまま、振りほどくことを許さないと言わんばかりの強い力で、男が再度イヴの腕を掴む。

「楽園に戻りさえしてくれれば、あとはお前の自由にしていい。口を聞きたくないのなら、それでもいい。何なら無視してくれてもいい。戻ってさえくれるなら、何だっていいんだ」

「そこまでして一緒にいて、楽しい……?」

 それはもはや、一緒にいるうちに入らないのではないかと思う。
 同じ場所にいたところで、会話も接触もないというのは虚しすぎる。むしろ不気味だ。

「楽しいに決まっているだろう」

(言い切った。真顔で言い切った、この人)

 本人は至って真面目なところがさらに笑いを誘う。いや、この状況では全く笑えないのだが。
 頭のネジが一本どころか全部吹っ飛んでいるんじゃなかろうか。
 ここまで来れば気持ち悪いを通り越して、いっそのこと清々しい。

「私は全然楽しくない。むしろ怖いわよ」

 側にいてくれるだけでいいというのは、ある種の盲信だ。
 一緒にいるだけで幸せ、と彼氏が出来たての友人が頬を赤らめながら話していたことを思い出す。彼には悪いところなんかないの、完璧すぎて怖い、そんな、こちらからすれば微笑ましい、けれども少し不気味なさまに、釣り上げた口角が震えてしまったのは記憶に新しい。
 恋は盲目というように、それは一時的にハイになっているだけだ。これまでに経験した事のない新鮮さに酔っているだけ。
 恋かどうかはともかくとして、この男の執着もそういった類のものだろう。この場合は一種の吊り橋効果も混ざっているのかもしれない。
 だが、吊り橋効果で付き合ったカップルはすぐに別れてしまうものだ。
 時間が経てば粗も見えてくるだろうし、面白くない女だということが分かればこの男とて同じように飽きてくれるに違いない。

「……私は、あなたの知っているイヴじゃない」

 まっすぐに男の目を射抜きながら、否定の言葉を吐き出す。男の腕に込められた力が増した。

「あなたからすれば同じに見えているかもしれない。でも私は、あなたのことなんて知らないし、楽園が何かも分からない。戻ったところで、あなたの望む答えを返せそうにはないの。きっと失望させるだけだわ。……分かったなら、この手を離してくれない?」

 ここまで言えば諦めてくれるだろう。
 そう高を括っていたのだが、男は手を離すどころか束縛を強めるだけだった。
 間抜けに口を開き固まるイヴを尻目に、男は自虐混じりの酷薄な笑みを浮かべている。

「お前は、本当に変わっていないんだな」

 体を壁に押し付けられる。掴んでいたイヴの片腕を頭上で壁に縫い付け、男は熱の籠った目でじっと青い目を射抜いていた。疑問符が脳裏を支配する。
 掴まれた手首が痛んだ。男の背中越し、反対側の壁に映り込む、目を泳がせ、あからさまに動揺を浮かべる自分の顔が見えた。
 さっきの発言が、この男を煽ってしまったのは間違いないらしい。

「そんなこと言われても、知らないわよ」

 顔を背け、強く目を閉ざしながら口を開く。
 いくら否定したところでこの男を煽るだけなのは明白だが、何も言わないでいるのも癪だった。

「そうらしいな。でなければ、もっと必死に抵抗している」

「それって、どういう」

「何だと思う?」

 地を這う様な笑い声がイヴの鼓膜を揺らした。
 わずかに喜色の滲む声に、ちらりと瞼を持ち上げ顔色を伺う。
 執着混じりの赤い目に、ぞわりと背筋に鳥肌が立つ。
 視界が震え、イヴは咄嗟に男の腕を振り払おうと身をよじるが、それを許すほど赤毛の男は優しくはなかった。
 それまで頑なに思い出すことを拒んでいたものが、閉ざされた記憶の向こう側から這い出そうとしている。耳鳴りが聞こえ、この位置からでは見えるはずのない、見覚えのない天井が視界の中に映り込んだ。

「イヴ」

 急かす様に呼ばれた名に、別の光景が重なった。
 薄暗い部屋、背に当たる柔らかな布の感触、肌を這う気味の悪い熱を帯びた何か。
 知らない、そんなものは知らない、思い出したくない。絶対に、思い出してはいけない。
 レボルトの部屋で感じた頭痛と似た痛みが、頭の中を蝕んでいく。
 必死に思い出そうとしていたあの時とは違い、今はこの痛みがありがたく感じられた。

「私は、帰らない。少なくとも、あなたに会いに戻ってきたわけじゃない」

「……分かっている」

 男の目が威圧的に細められた。
 心臓の鼓動がイヴの脳裏を支配していた。

「じゃあ、離して」

「断る。どうしてもというのなら、蛇にでも懇願してみればいい。もしかしたら助けてくれるかもしれないぞ。……もっとも、今のあいつに出来るとは思えないが」

「……レボルトを悪く言わないでくれる?」

 小娘の静かな怒りを、男はわざとらしく鼻で笑って見せた。
 無性に腹立たしかった。全身の血が煮えくり返りそうになる。
 どうして昨日今日会ったばかりの相手への侮蔑に対して、ここまで苛立つのか。
 誰も答えを示してはくれないが、胸の中に湧き上がる明確な不快感だけは確かなものだった。
 頭の痛みをこらえ強く睨み上げれば、男は喉の奥を震わせ酷薄に笑む。

「あの男だけが残っている、というのも癪なものだな」

 男の筋張った腕が、イヴの顎を持ち上げる。
 その指でイヴの唇をなぞりながら、男は溜息を吐いた。
 記憶の話だけではない、何か別の意図が込められている様な気がしてならなかった。
 拘束されていない方の腕で男の胸板を殴りつけるも、男はどこ吹く風だ。せいぜい子猫に引っ掻かれた、くらいにしか思っていまい。

「哀れで愛しい、俺の花嫁」

 たやすくもう一方の腕をも拘束し、男は顔を近付けてくる。
 端から見れば、おとぎ話のような光景に見えなくもないだろう。
 鏡作りの迷宮で、王子様の様な格好をした男に言い寄られている。
 よく見れば顔は悪くない。二メートル近くある長身と、突き放した話し方のせいで怖いという印象を抱いてしまうが、顔自体はかなり整っている方なのだ。レボルトとは真逆のタイプの、男前、精悍といった単語の似合う部類の人間。
 この場合、客観的に見れば非難されるのはイヴの側なのかもしれない。
 王子様に選ばれたのだから、幸せに決まっている。よかったわね、選んでもらえて。
 抗うことは傲慢で、こちらも相手のことが好きなのだと身勝手にも決めつけられる。
 イヴにしてみれば、まったく嬉しくも何ともない。
 見ず知らずの人間にいきなり言い寄られても迷惑なだけだ。

「……口説きたいのか、貶めたいのか、どっちなのよ」

 唇が触れる直前、目を細めながら苦し紛れに毒を吐く。
 触れるか触れないかというギリギリの距離で動きを止めた男の息が、イヴの唇を蝕んだ。

「気に食わないな」

 突き放した様にそう言うや否や、ゆっくりと体を起こし、男はイヴをあっさりと解放した。
 突然の手のひら返しに困惑するイヴを尻目に、イヴの両肩に手を乗せた男は不快感を露わにする。

「よほど主人を他の男に奪われるのが我慢ならないらしい。……だから蛇はやめておけと言ったんだ」

 怒りの矛先がイヴに向けられたものではないと気付くのに、少しばかり時間が掛かった。
 言い切るのとほぼ同時に、鏡作りの地面の中から黒い影が飛び出してくる。イヴの足元から這い出したそれは、男の首筋に食らいつかんと一直線に喉元へと向かっていった。
 イヴは間に合わないと感じるも、男は慣れた様子で影を避ける。
 しくじったらしい黒い影は、そのままイヴと男との間に静かに着地した。

 イヴを守るかの様に牙を剥き男を威嚇するそれは、黒色の蛇だった。
 鏡の中に、黄金の目を煌々と輝かせる蛇の横顔が映り込んでいる。
 イヴを案内していた白蛇とは正反対の印象を受けた。
 白蛇には人間味があり、どこか憎めないような愛嬌があったが、この蛇には何もない。
 そこにいるのは、漠然とした怒りだった。ここにいるのはイヴを導く案内人などではなく、男の言う通り、牙を剥き出し主人に害なすものと判断したこの男を殺めんとする、ただそれだけの殺意の化身だ。

「……レボルト」

 半信半疑に名を呼べば、蛇は反応を見せた。
 にわかには信じられないが、これもまたレボルトなのだろう。
 どのような形であろうとも、イヴを助けようとしてくれていることに変わりはない。

「その姿でも理性はある、というわけか」

 一時のまどろみも、男の言葉にかき消されてしまった。
 鏡の中に映り込んだ黄金のまなざしと目がかち合う。
 今のうちに逃げろと、視線で訴えられているような気がした。

 手を握りしめ、きびすを返す。
 ここは大人しく、逃げておくのが得策だろう。
 背後から、蛇の威嚇音と、男の舌打ちが聞こえてきた。
 後ろ髪を引かれながらも、それでもイヴは足を動かし続けた。
 ドレスの裾を上げ、一人と一匹とは正反対の方向に駆け出していく。

 どこへ逃げればいいの?

 分からない。

 分からないのに逃げ続けるの?

 うるさい黙って。

 本当に、帰れると信じているの?

 うるさい、うるさい、うるさい!

 鏡張りの道の中を、どこへ行くとも知れず走り抜けていく。
 このまま走り続ければ、家へ帰れるのだろうか。
 今ここに、蛇の案内人はいない。
 鏡の中に映り込むのは、喪服姿の女ただ一人だけだ。
 幸いにも、分かれ道はない。このまま真っ直ぐ進むしかないのだから、迷いようはなかった。
 イヴが歩む度に聞こえるヒールの音だけが、イヴの孤独を癒してくれる唯一だった。もう追っては来ないだろうと、イヴは歩みをゆるめる。ゆっくりと、一歩ずつ踏みしめなながら、伸び続ける廊下を進んでいった。
 この先は、一体どこに通じているのだろうか。

 名のないものは愛されない。

 少年に言われた言葉が、不意に脳裏へと蘇った。
 未だに、イヴはここへ来る前の名前を思い出せずにいる。
 色んなことが起こりすぎてパニックになっているから、目が覚めればきっと全て思い出すはず。
 そんな免罪符にすがることも、もはや限界にあった。

「……名のないものは、愛されない、か」

 ぼやいたところで、現状が変わるわけではない。
 様々な記憶の奔流に、自分が何者なのか、そんな単純なことですら分からなくなる。
 帰りたい、帰りたくない、思い出したい、思い出してはいけない、知りたい、その先を見てはいけない。
 ずっと、その繰り返しだ。

 煮え切らない気持ちのまま歩き続けていると、分かれ道に差し掛かった。
 他に道はないのか。溜息を吐きながら来た道を振り返る。
 そこに、歩いてきたはずの道はなかった。鏡作りの壁が、逃げることを許すまいとばかりにイヴの背後を覆い隠していたのだ。鏡の中の横顔に、汗がにじむ。
 今更道の一つや二つなくなったところで驚きはしないが、困惑はする。
 右か、左か、それとも中央か。この中のどれかを選ぶしかない。でなければどこへ進むことも出来ないのだから。

 今この場に、道を指し示してくれるものはいない。
 正真正銘、自分で選び取るしかないのだ。
 鏡の中に映り込む自分が、小さく息を飲んだ。

 三つの道に、外見的な違いは何もなかった。
 きっちり三等分。どの道の先にも、真っ暗な闇が広がっており行く先を知ることは出来ない。

 どれでもいい様な気もしてくる。だが、きっと軽い気持ちで選んでしまってはいけないものなのだ。やっぱり気が変わったから、戻ってやり直そう。そんな身勝手はここでは許されない。背後に現れたこの鏡の壁が、それを如実に表していた。進めば最後、後戻りは二度と出来ない。

「それが、『道』の役割だから」

 響き渡る笑い混じりの声に、周囲を見渡す。
 クスクスと、幼い少女の声がイヴの鼓膜を揺らした。

「例えあなたが壊れていたとしても、選び取ったものには責任を持たなくてはいけない」

 耳元で聞こえた声に、咄嗟に身を翻す。
 壁の中に、あの時と同じ花嫁が立ちすくんでいた。口元以外すべてを覆い隠した、イヴと同程度の背格好をした純白の少女。ベールに隠された顔が、自信有り気に笑みを浮かべた。

「だって、あなたは与えてしまった。愛してしまった。それはとても罪深いこと。けれど、それでもいいと思った。でも……狂うほどに焦がれたのに、あの人は壊れてくれなかった。愛おしくて、愚かで、嬉しくて、悲しくて、憎くて、許せなくて、もう一度会いたかった。……だから戻ってきた。あなただって、本当は分かっているはずよ。……そうでしょう?」

 最初に見た時には聞き取れなかった少女の言葉も、今回ははっきりと聞き取ることが出来た。
 体も自由に動く。鏡に両手をあてがい、イヴは必死に呼びかけた。

「待って、あなたは一体——!!」

「さあ、あなたの罪を暴きましょう」

 少女はイヴの言葉に耳を貸さない。
 子供じみた声が歌う様に口ずさむと同時に、少女の写り込んでいた鏡に亀裂が走りだす。
 イヴが手のひらをあてがっていた場所から徐々に亀裂は広がり始め、イヴは咄嗟に鏡から腕を離した。パラパラと、初めは表面から散っていく。
 次第に崩壊は壁自体をも蝕んでいき、壁自体が崩れ始めたと同時に、花嫁のベールが床へと落下した。
 ベールの向こう側にあったのは、見慣れた顔だった。いいや、見慣れているという次元ではない。花嫁の顔は、少女と同じものだった。見慣れた青い目が、哀れむ様な目でこちらを見通していたのだ。

「——この先に、全ての答えが待っている」

 イヴはしばし呆然とその場に立ち尽くし、蠱惑的な笑みを向けてくる自分自身を凝視していた。音を立て鏡の壁が完全に崩壊すると同時に、花嫁もその場から姿を消す。
 消えた花嫁の向こう側に、道が続いていた。その代わりとばかりに、背後にあった三つの道は跡形もなく消え去っている。ここを進め、ということらしい。
 他に道がないのだから、行くしかない。しばらく歩き続ければ、すぐに道の果てが目に飛び込んできた。イヴの見間違いでなければ、突き当たりにドアのようなものが見える。
 いつもなら真っ暗な闇が広がっているだけのこの迷宮において、初めて明確なゴールにたどり着いたのだ。
 ゆっくりと扉へと近付いていく。一歩ずつ確実に、一歩一歩を噛みしめる様にして。
 この扉の先に、「答え」という名の何が待っているのかは分からない。
 けれど、開けなければいけない。知らなければいけない。
 どうして、戻ってきたのかを。

 扉の前に立ち、イヴはゆっくりと深呼吸をした。
 白い木製の扉だ。丸い取っ手の周囲や、淵を囲む様にして、扉の表面にはツタの様に絡み合う草花のレリーフが彫られている。実や花、葉っぱに至るまで何か特定の植物をモチーフにしている様だ。
 花は桜に似ているが、少し違う。実の方はレボルトの部屋から見えた、巨大な木に実っていたものと酷似している。刻印が小さくてよく判別できないが、色が付いていれば楽に区別出来たことだろう。

「……イヴ様」

 一体どこから入り込んだのだろうか。
 静かな声のした方、イヴが進んできた道を振り返れば、そこには疲弊しきった顔をしたレボルト本人が立ちすくんでいた。
 扉を観察することをやめ、ドアノブを掴んだまま振り向いた姿勢でイヴは動きを止めた。

「俺を信じるなら、お願いですからその扉は開けないでください」

 ぜえはあと息を荒げる男を、イヴはどこか達観的に眺めている。
 そこまでして、レボルトは思い出して欲しくないのだ。
 レボルトがイヴのためを思って行動していることは重々承知していた。レボルトのこれまでの行動は、全てイヴを中心に行なわれている。
 そしてそのためにどれほどの無茶をしているのか、具体的に何をしているのかは分からなくとも、真っ青な男の顔色を見れば限界が近いことは明白だった。

「とにかく、そこから離れてください。さあ、こちらに。大丈夫です。あなたは必ず、幸せに——」

「ねえ、レボルト」

 遮るようにして、イヴは静かに男の名を呼ぶ。

「あなたの望む私の幸せって、一体なんなの?」

 まっすぐに見つめれば、レボルトは言葉に詰まった。

「……俺はただ、あなたをこれ以上不幸にしたくなかった」

 苦痛から必死に逃れるように、片方の二の腕を必死に掴み、レボルトは荒い息を吐く。

「楽園にいる限り、あなたは苦しむだけだった。……俺はあなたに普通の日常を送って欲しかった。何者にも縛られず、平和な人生を歩むこと。それが、俺の思うあなたの幸せです」

 ここから帰って欲しい、何も知らず、当たり前の人生を謳歌して欲しい。就職して、結婚して、子供を産んで、暖かな家族に囲まれてゆるやかにその生を終えて欲しい。
 それはあくまで一般論であって、イヴの思う幸福と必ずしも一致するとは限らない。「幸せを祈っている」という言葉はある種の逃げだ。その人のことを大事に思う一方で、自分には幸せに出来ないから、他の場所で幸せになって欲しい、という他人任せのエゴでもある。
 そんな可能性を、この男は考えたことがなかったのだろうか。

「……そう」

 レボルトの思いは狂信的だ。
 主人と下僕という関係があるにしても、あまりに盲目的すぎる。
 自分はどうなってもいい、イヴを幸せに出来るなら何だっていいのだと、身勝手な願いのために惜しげなくその身を削り続けている。間違いなくレボルトにとってのイヴは特別で、イヴにとってもレボルトは特別だ。

 だが「楽園」で一体何があったのか、今のイヴには何もわからない。
 だからこそ、知りたいと願う。否、知らなければいけない。

「悪いけど、私は知りたい。なんでここに戻ってきたのか。……あなたが、私にとって一体どういう存在だったのかを」

 レボルトから顔を背け、イヴはドアノブを力強く回した。
 押し開けば、先の見えない深い闇が広がっている。そこは、レボルトの部屋から繋がっている場所とよく似ていた。
 迷いを断ち切る様に、イヴは深い闇の中に身を投げる。
 まっさかさまに深い闇の中へと落ちていく中、背後から聞こえる蛇の呼び声に聞こえないふりをして、イヴはゆっくりと瞳を閉ざしていった。

 この先に、全ての答えが待っているのだと信じて。